ひざの痛みのコラム
PRPに含まれる成長因子について
- 2020/08/25 2020/08/25
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監修医療法人社団康静会 理事長 岡本 慎一 医師
変形性膝関節症の痛みが緩和されるということで、PRP関節注射を検討される方が増えてきています。
PRPとは、多血小板血漿(Platelet Rich Plasma)の略語で、血小板を多く含んだ血液のことです。
血小板は血管が損傷した時、損傷した場所に集まって止血をするのですが、その際に多量の成長因子を放出します。この成長因子には傷んだ組織を修復する働きがあります。
PRP関節注射は、患者様ご自身の血液から血小板を多く含む成分を抽出し、それをひざに注射することで、人が本来持つ治癒能力や組織修復能力を最大限に引き出す治療です。
損傷した組織の修復を促す作用を持つTGF-βなどの成長因子の働きによってひざの痛みを抑えるだけでなく、変形性膝関節症の進行を遅らせることができます。
ここではPRPに含まれる成長因子についてご紹介します。
PRPに含まれる成長因子
PRPには多数の成長因子が含まれています。これらが、新しい血管をつくったり、細胞を増殖させたりすることで傷の治りを早めたり、痛みを和らげたりしています。
PRPに含まれる代表的な成長因子の種類と主な作用
名称 | 成長因子名 | 主な作用 |
---|---|---|
TGF-β | Transforming Growth Factor beta | 創傷治癒を促進、コラーゲン生成。 |
形質転換増殖因子ベータ | ||
bFGF | basic Fibroblast Growth Factor | 線維芽細胞および 血管内皮細胞の増殖を促進。 |
塩基性線維芽細胞成長因子 | ||
EGF | Epidermal Growth Factor | 軟骨細胞、骨芽細胞の増殖を促進。 |
上皮成長因子 | ||
PDGF | Platelet-Derived Growth Factor | 血管新生、線維芽細胞の増殖を促進、 コラーゲン生成。 |
血小板由来増殖因子 | ||
VEGF | Vascular Endothelial Growth Factor | 血管内皮細胞の増殖、血管新生の促進。 |
血管内皮増殖因子 | ||
IGF | Insulin-like Growth Factor | 成長ホルモンの働きに関与し、 骨の成長を促進。 |
インスリン様増殖因子 |
PRPの濃度について
PRP関節注射は、ご自身の血液をもとにPRPを作製するため、拒絶反応やアレルギー反応などのリスクが少なく安心です。ですが、安全性が高い治療である反面、人によってPRPの濃度が異なる可能性があります。
またPRP関節注射は自由診療のため、標準化されておらず、クリニックによってPRPの調整方法に差があります。調整方法によってPRPの濃度が異なり、人によって効果も様々ですので、クリニック選びは慎重に行うことをお勧めいたします。
当院では独自の遠心分離技術により、3倍が限界と言われているPRPの濃度を約10倍もの高濃度にまで高めることに成功しております。気になる方はお気軽にご相談ください。
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監修医療法人社団康静会 理事長 岡本 慎一 医師
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