「以前より、顔の血管が目につくようになった」
「ファンデーションを重ねても、赤や青い血管が隠れない」
こうしたお悩みは、年齢とともに増えてくるもので、決して珍しいものではありません。
なかでも目の下やこめかみ、頬といった部位は皮膚が薄く、血管が透けて見えやすい特徴があります。
本コラムでは、顔の毛細血管拡張症をテーマに、血管が目立つようになる背景や治療法の考え方、さらにフェイススクレロセラピーという治療について、症例写真を交えながらわかりやすくご紹介します。
顔の血管が目立つ症状について

毛細血管拡張症とは、皮膚の表面に近い位置を走る血管が広がり、赤みや線状、網目状の血管として見える状態を指します。
顔は身体の中でも皮膚が薄くデリケートな部位であり、紫外線や寒暖差、年齢による変化、ホルモンバランスの影響を受けやすい特徴があります。
そのため、30代以降になると「これまで気にならなかった血管が目立つようになった」と感じる方が増えてくる傾向があります。
顔の血管が目立つ背景は一つではありません
顔の血管が浮き出て見える理由は、単に血管自体に問題があるというわけではありません。
実際には、いくつかの要因が重なり合って影響しています。
- 皮下脂肪やコラーゲン量の減少
- 加齢に伴う皮膚の薄化(菲薄化)
- 生まれつき皮膚が薄い体質
- 血管自体の拡張
- 表情筋の発達や血流の変化
このように、血管の見え方は、部位や個人の状態によって原因が異なり、現れ方にも差があるのが特徴です。
【症例から見る】部位ごとに異なる血管の見え方
康静会グループで実際に治療を行った症例をもとに、顔の部位ごとに異なる血管の特徴や目立ちやすくなる背景についてご紹介します。
こめかみ・額に見られる血管

こめかみや額の血管は、年齢とともに皮下脂肪が減少したり、表情筋の動きが影響したりすることで、浮き出て見えやすくなることがあります。
特に表情を動かした際に血管が強調されやすく、「顔つきが硬く見える」「男性的な印象になる」と感じ、気にされる方も少なくありません。
頬に見られる血管

頬は紫外線や乾燥の影響を受けやすい部位で、皮膚のバリア機能が低下すると、血管が透けて見えやすくなります。
ファンデーションなどでカバーしづらく、日常生活の中で気になりやすいポイントとなり、精神的な負担につながるケースも少なくありません。
目の下に見られる血管

目の下は顔の中でも特に皮膚が薄い部位で、年齢による変化や体質の影響を受けやすく、血管が青く透けて見えることがあります。
血管自体に明らかな異常がなくても、皮膚のハリや弾力が低下することで、血管の輪郭が強調されて見えてしまうケースは少なくありません。
そのため、実年齢より疲れて見えたり、老けた印象を与えてしまいやすい点が特徴です。
口元・口角まわりに見られる血管

口元や口角周辺は表情の動きが多く、加齢や体質によって皮膚が薄くなることで、血管が浮き出て見えやすい部位です。
特に笑顔になったときや会話中など、口元が動く場面で血管が強調されやすく、気になってご相談される方も少なくありません。
治療の考え方は共通でも、施術内容は個別に調整します
顔に浮き出る血管は、部位や見え方によって原因が異なりますが、治療の基本となる考え方自体は共通しています。フェイススクレロセラピーは、目立つ血管の内部に硬化剤を注入し、血管を徐々に閉塞させ、体内で吸収させていく治療法です。
不要な血管にのみピンポイントで作用させることで、周囲の皮膚への負担を抑えながら改善を目指します。
ただし、実際の施術では、
- 血管の深さ
- 血管の太さ
- 部位ごとの皮膚の薄さ
- 左右のバランス
といった点を総合的に確認し、薬剤の濃度や注入方法を細かく調整します。そのため、施術内容は一人ひとり異なるオーダーメイドの治療となります。
以下では、実際の施術イメージをご覧いただけます。
施術イメージ動画(フェイススクレロセラピー)
まぶた周辺の血管への施術
皮膚が薄く血管が目立ちやすいまぶた周辺では、血管の走行や深さを確認しながら、目立つ血管に対して的確にアプローチしている様子をご覧いただけます。
鼻まわりの血管への施術
鼻まわりには細い血管が複数走行しているため、1本ずつ状態を見極めながら、必要な部分にのみ少量ずつ丁寧に注入していく工程をご覧いただけます。
広い範囲に分布する血管に対して、細かな調整を行いながら施術している点が特長です。
PRP注射を併用するという選択肢
顔の血管が目立つ背景には、血管自体の問題ではなく、皮膚の薄さが影響しているケースもあります。このような場合には、フェイススクレロセラピーに加えてPRP注射を組み合わせることで、より自然な仕上がりを目指すことができます。
PRP注射は、自己血液由来の成分を用いた治療で、皮膚のハリや弾力の向上を促す働きがあります。皮膚に厚みとクッション性が生まれることで、血管の透け感が軽減され、見た目の印象がやわらぐ効果が期待できます。
安全性を第一に考えた治療体制

顔の血管治療には、美容的な配慮だけでなく、血管の構造や走行を正確に把握する医学的な知識と経験が不可欠です。
康静会グループは、もともと下肢静脈瘤治療に特化としてきたクリニックであり、血管治療に関する豊富な経験と実績を有しています。
その知見を活かし、現在では見た目の自然さや仕上がりにも配慮した美容領域の治療にも対応しています。
当院では、脈管専門医、下肢静脈瘤の血管内治療指導医、心血管インターベンション認定医など、血管治療に関する専門資格を有する医師が診療を担当しています。
美容目的の治療であるからこそ、安全性を最優先に考え、血管の位置や周囲組織への影響を十分に評価したうえで、医学的根拠に基づいた治療を行うことを大切にしています。
レーザー治療(Vビーム)との違いについて
顔の血管治療として、Vビームに代表されるレーザー治療を検討される方も少なくありません。レーザー治療は、赤みに反応する光を照射し、血管に熱エネルギーを与えることで、時間をかけて目立ちにくくしていく方法です。
一方で、血管の深さや太さ、部位によっては、レーザーの作用が十分に及ばないケースもあります。そこで、フェイススクレロセラピーとの違いを理解していただくために、治療方法の特徴を比較しましたので、参考にしてください。
| フェイススクレロセラピー | レーザー治療(Vビーム) | |
|---|---|---|
| 血管への作用 | ◎ 直接作用 | △ 間接的 |
| 深い・太い血管 | ◎ 可能 | ☓ 届かない |
| 即効性 | ◎ 直後から | △ 徐々に |
| 施術回数 | ◎ 1回で変化 | △ 複数回 |
| ダウンタイム | ○ ほぼナシ | ○ ほぼナシ |
顔の毛細血管拡張症をそのままにするとどうなる?
顔の毛細血管拡張症は、健康上すぐに問題となる疾患ではありません。そのため、「痛みもないし、特に治療しなくても大丈夫ではないか」と感じる方もいらっしゃいます。
しかし、症状を放置した場合、時間の経過とともに見た目の変化が進行する可能性があります。以下では、放置した際に考えられる変化についてご紹介します。
血管の目立ち方が強くなる可能性

毛細血管拡張症は、経過とともに血管が少しずつ広がり、細い線状だった血管が太く見えるようになったり、目立つ範囲が広がったりすることがあります。
特に、紫外線や寒暖差、日常的な摩擦などの刺激が重なると、血管への負担が蓄積し、見た目の変化が進みやすくなる傾向があります。
皮膚の薄化や赤みが目立ちやすくなることも

毛細血管拡張症が進行すると、皮膚のバリア機能が低下しやすくなり、赤みや乾燥といった症状を伴うことがあります。
さらに皮膚が薄くなることで、血管の透け感が一層強調され、見た目の変化が進みやすくなるなど、負のサイクルに陥るケースもみられます。
治療に要する期間が長くなることも

比較的早い段階であれば、気になる血管に対してピンポイントの治療で改善が期待できる場合もあります。
しかし、症状の範囲が広がったり、血管が太くなった場合には、治療回数が増えたり、細かな調整が必要になることもあります。そのため、「少し気になり始めた段階」で一度診察を受けることが、結果として治療の負担を抑えることにつながります。
なお、毛細血管拡張症は放置したからといって必ず悪化するわけではなく、体質や生活習慣によって変化のスピードには個人差があります。ただし、自然に目立たなくなることはほとんどないという点は共通しています。
似た症状との違いを正しく知ることが大切です
顔の血管が目立つ状態は、赤ら顔や酒さ(しゅさ)と見た目が似ているため、混同されやすい傾向があります。ただし、これらの症状は原因や治療の考え方がそれぞれ異なります。
そのため、見た目だけで判断せず、症状を正確に見極めたうえで適切な治療を選択することが重要です。
一時的な赤みとして現れる「赤ら顔」

赤ら顔は、気温の変化や緊張、飲酒などをきっかけに血流が一時的に増え、顔全体が赤く見える状態を指します。
血管そのものが恒常的に拡張しているわけではないため、スキンケアの見直しや生活習慣の調整によって、症状が落ち着く場合もあります。
炎症症状を伴いやすい「酒さ(しゅさ)」

酒さは、慢性的な皮膚炎の一つで、赤みが持続するだけでなく、ほてり感やヒリヒリとした刺激感を伴うことがあります。症状によっては、膿疱やかゆみが現れるケースもみられます。
主な原因は皮膚の炎症であるため、毛細血管拡張症とは治療の考え方が異なり、皮膚科的なアプローチによる治療が必要となります。
フェイススクレロセラピーの治療メカニズム

フェイススクレロセラピーは、目立つ血管の中に専用の薬剤を注入し、血管の働きを徐々に抑えながら、最終的に体内で自然に吸収させていく治療法です。
この治療は、もともと下肢静脈瘤の治療として確立されてきた硬化療法をベースに、顔の血管に適した薬剤濃度や注入方法へと調整し、美容医療の分野に応用したものです。
顔は皮膚が薄くデリケートな部位であるため、血管の太さや深さ、走行を慎重に見極めながら、部位ごとに細かな調整を行い、丁寧に施術を進めます。
フェイススクレロセラピーが適している方の目安
以下のようなお悩みをお持ちの方は、フェイススクレロセラピーが選択肢となる可能性があります。
- 血管が線状または網目状にはっきり見えている
- レーザー治療を受けたものの、十分な変化を感じられなかった
- できるだけ早く見た目の変化を実感したい
- メイクでカバーしきれない血管が気になっている
ただし、実際に治療が適しているかどうかは、血管の深さや太さ、皮膚の状態などを診察したうえで判断します。
顔の血管が気になったら、正確な診断から始めましょう
顔の毛細血管拡張症は、血管そのものの状態だけでなく、皮膚の薄さや加齢による変化、さらに部位ごとの特性など、複数の要因が重なって目立つようになる症状です。
康静会グループでは、下肢静脈瘤治療を専門として培ってきた血管治療の知見を活かし、美容面にも配慮した安全性の高い治療をご提案しています。
まずはお気軽にご相談ください。