ひざの痛みのコラム
血小板の働きについて
- 2020/09/04 2020/09/08
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監修医療法人社団康静会 理事長 岡本 慎一 医師
PRPとは血小板を多く含む血漿のことですが、本来血小板というのはどういった働きをするのでしょうか。このコラムでは血小板の働きについてわかりやすく解説したいと思います。
血小板の働き ①「止血作用」
怪我をして出血したものの、血液がかさぶたとなって自然に止血していた経験は、誰にでもあるかと思います。
怪我の傷口がふさがるのは、私たちの血液に含まれている血小板が働くからです。血管が損傷すると、血小板は壊れた血管周辺に集まり粘着します。これにより血小板血栓が形成され、破れた血管を塞ぎ損傷部の止血をします。
その後、血液中の凝固因子と呼ばれる一群のタンパク質が働き、最終的にはフィブリンの網の膜が血小板血栓の全体をおおい固めて、止血が完了します。
血小板の働き ②「成長因子」による「創傷治癒」効果
血小板は、止血作用とともに、成長因子を放出して損傷部分を修復する働きがあります。血小板が放出する成長因子には、血管の形成や細胞増殖などに役立つものが数種類あります。その成長因子が損傷部位に直接働きかけて、細胞増殖をうながし修復機能を高め、自然に怪我や病気を元通りに直そうとします。
つまり、PRPを患部に注射することにより、早期治癒や疼痛の軽減効果を引き出すことができるのです。血液成分に占める血小板の割合は、本来たった1%以下と微量です。
PRPは、特殊な技術を用いて血液中の血小板が多く含まれる部分のみを抽出して作製します。
PRP療法
PRP療法は血小板の働きを利用して、自己治癒力を高める治療法のため、拒絶反応やアレルギー反応などのリスクが少ないことも安心です。
変形性膝関節症の進行に伴い、徐々に軟骨がすり減り、炎症が起きますが、PRP関節注射は組織の修復や関節の炎症を抑制する効果が期待できます。
PRP関節注射を受け、手術を回避された方も多数いらっしゃいます。当院でも治療を行っておりますので気になる方はお気軽にご相談ください。
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監修医療法人社団康静会 理事長 岡本 慎一 医師
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