下肢静脈瘤は何科に行けばいい?

「下肢静脈瘤は何科を受診すればよいのか?」という疑問は数多く寄せられます。

整形外科や皮膚科に受診していることも多いのですが、現在はエコー検査で正確に診断を行うことも可能ですし、治療も進化してきました。下肢静脈瘤を専門とする医療機関への受診が安心です。

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主に下肢静脈瘤を扱う診療科は「血管外科」

基本的に下肢静脈瘤を主に取り扱うのは血管外科医ですが、病院によっては「外科」「皮膚科」「形成外科」などでも診療していることがあります。

しかし、専門的な血管エコー検査などは行わずに保存的な治療(根本的に治療をするのではなく、弾性ストッキングを履いて静脈瘤による症状を軽くするだけ)にとどまっていることが多いと思います。

血管がぼこぼこと膨らんでいる静脈瘤は見た目にもわかることが多いため、診断は難しくありません。

しかし治療はせずに「深刻な病気ではないから大丈夫です」、「なるべく立ち仕事を控えて弾性ストッキングを履くようにしましょう」と言われて様子をみているだけにとどまっていることが多いのです。

そのため何年も弾性ストッキングを履き続けていて「夏は大変」「かぶれて困る」というような方や、徐々にこぶが大きくなって血管がどんどんぼこぼこしてきてしまったという方も少なくありません。

また、仮に下肢静脈瘤を治すために血管外科を受診しても、心臓血管や動脈(酸素や栄養を身体中に運ぶ重要な血管)を主に取り扱っている病院や専門家の方が圧倒的に多いのが現状です。

命に直接かかわることがほとんどなく、進行しても足が壊死してしまうことのない静脈(下肢静脈瘤)をメインに取り扱っている医療機関は未だ多いとは言えません。

つまり「下肢静脈瘤は何科に行けば治してもらえるか?」の答えは「血管外科」「皮膚科」「形成外科」でありながら、結局は「〇〇科」というくくりではなく下肢静脈瘤を専門に診ている医師を受診するのが良いと言えます。

その理由を説明していきましょう!

下肢静脈瘤は治療できる!

血管がぼこぼこして浮き出ていても、我慢しているしかないと放置している方は意外と多いのです。

下肢静脈瘤は30歳以上の6割がかかるとも言われているほど、実はありふれた病気です。
実に2人に1人という計算です。

とはいえ、そのすべてを積極的に治療すべきというわけではありません。

しかしむくみやだるさ、こむら返りといった症状や皮膚炎などの合併症まで現れてしまったものを、弾性ストッキングを履いて様子を見るのはあまりにも辛いことなのです。

下肢静脈瘤を積極的に治療することで次のような結果が期待できます。


  • 足の血流が向上し、むくみやだるさといった症状が改善する
  • 下肢静脈瘤のぼこぼこが目立たなくなる
  • 下肢静脈瘤が招く合併症を治す・予防する

「でも下肢静脈瘤の治療は難しいのではないか?」
「治療はしたいけど入院して手術はなあ・・・」
「結局、弾性ストッキングを履いているしかないのではないか?」

このように考える方が多いと思います。

それは以前は「入院が必要・大がかりな手術が必要」だったからです。

しかし・・・

「入院が必要・大がかりな手術が必要」は過去の話

現在、下肢静脈瘤治療の主流は日帰りで数十分で行うことができるカテーテル治療(血管内治療)が保険適応になり主流になってきました。

カテーテルという細い管を血管内に挿入し、その先端から出るレーザーや高周波(ラジオ波)で静脈瘤を治療するのです(正式には下肢静脈瘤血管内焼灼術かしじょうみゃくりゅうけっかんないしょうしゃくじゅつ)。

傷跡もカテーテルを通すための針穴だけなのです。

カテーテル治療は患者さんの負担が少なく画期的であったため海外ではいち早く導入され普及していましたが、日本では2010年までは自由診療でしか受けることができず治療費は高額であまり普及はしませんでした。

ですからカテーテル治療(血管内治療)が保険適応になる前の2010年頃までは、下肢静脈瘤の軽いものは硬化剤を注射して血管を固めてしまう「硬化療法」、重度なものは「ストリッピング手術」といって逆流が起こっている静脈を抜き取る手術などが主流でした。

ストリッピング手術は数日から1週間程度の入院が必要でしたし、全身麻酔や下半身に麻酔をかけて手術をすることや手術の傷跡に抵抗がある方もいたと思います。
つまり以前は下肢静脈瘤については「治せるけど治さない」という選択をとっていた方も少なくなかったのです。

その後2011年にレーザー治療が、2014年にはラジオ波治療が保険適応になることでカテーテル治療が普及し、下肢静脈瘤は「治せるのに治さない」という選択をとらなくても良くなったのです。

それではどこで治療をうけられるのでしょうか?

血管外科=下肢静脈瘤専門医ではありません

カテーテル治療ですが、血管外科医であればすべての医師が行えるわけではありません。

下肢静脈瘤の原因となっている静脈をしっかりと超音波エコー検査を用いて診断する技術と、静脈瘤に対するカテーテル治療を含めた数ある選択肢のうち正しい治療を行うスキルが必要なのです。

これらの知識とスキルを備えた下肢静脈瘤専門医という公式な資格はなく、「下肢静脈瘤血管内焼灼術実施医しょうしゃくじゅつじっしい・指導医」がそれに相当します。

脚に異変を感じた場合、多くはかかりつけの内科に行くことが多いでしょう。
しかし、内科では特に下肢静脈瘤を原因としたむくみには対応しきれないのです。

仮に血管外科に紹介されても下肢静脈瘤を治療できる施設でなければ、最初にお話しした通り弾性ストッキングで経過をみているだけのことが通常です。

保存的な療法だけでなくエコー検査で静脈瘤の状態を把握し、必要であれば積極的に治療に移れる医師に受診できれば安心です。