高周波治療

高周波治療近年、下肢静脈瘤に対して保険適応となった最新の治療法です。逆流している静脈の中にカテーテルという直径2mmのプラスチックの棒を通し、高周波による熱で静脈を塞ぎます。
針穴から静脈まで最短距離でカテーテルを挿入しますので、周囲の筋肉や神経、血管などを損傷することがほとんどありません。
女性にとっては、足にキズができないということも大きなメリットではないでしょうか。現代医療の主流である“低侵襲治療”と呼ばれるにふさわしい治療です。
高周波治療により循環が改善し、足に新鮮な血液が供給されるようになります。
逆流している静脈は、足にとっては不必要な血管ですので塞いでしまっても悪影響はありません。この治療により、血管コブはもちろんのこと、だるさやむくみ、足がつるといった症状も劇的に改善します。

高周波治療

レーザー治療

血管を焼灼するためのレーザー機器として、当院ではAtoven 1940nmを採用しています。
Atoven 1940nmはFDA(米国食品医療品局)、KFDA(韓国食品医薬品安全庁)、CEマーク(商品がすべてのEU加盟国の基準を満たすものに付けられる基準適合マーク)といった、世界各国の厚生省庁認可を受けた安全性・信頼性に優れた医療用レーザー機器です。※当機器は下肢静脈瘤治療に対して日本国内では未承認です。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/healthhazard/

1940nmというのはレーザー光の波長を表しています。レーザー光の特徴として、波長が大きくなるほど水吸収率が上昇するという特徴があります。現在、足の静脈瘤治療に対して承認されている機器のレーザー波長は980nmと1470nmだけですが、当院ではより吸収率の高い1940nmの機器を使用しています。

硬化療法

皮膚の上から見える細い静脈や、高周波治療の適応にならない静脈に対しては、硬化療法を行います。
硬化療法とは、硬化剤という薬剤を浮出た静脈に注入し、つぶしてしまう方法です。 つぶした静脈は時間とともに吸収され、最後には無くなります。
注射というと痛いイメージを持ってしまいますが、当院では先が見えないくらいの細い針を使用し、痛みを最小限に抑えるようにしています。
治療時間は10分程度で、受診当日に治療が可能、さらに治療終了後にはすぐに歩いてご帰宅いただけます。

硬化療法-注射

弾性ストッキング

軽症の方やお仕事などの都合ですぐに根本治療が難しい方には医療用の弾性ストッキングをおすすめしています。
医療用の弾性ストッキングはその特殊な編み方により、足を下から段階的に圧迫し、むくみや余分な血液のたまりを予防することができます。
クリニックでも販売していますが、最近は薬局やインターネットで販売されていますので「弱圧」または「中圧」を購入されると良いでしょう。
ただし、本当に弾性ストッキングが適応になるかは、エコー検査が必要ですので自己判断で漫然と履き続けないようにご注意ください。

弾性ストッキング-表彰状

スタブ・アバルジョン法

スタブ・アバルジョン法コブが非常に大きい場合や、高周波治療だけでは治療が難しい場合にはスタブ・アバルジョン法を併用します。
スタブ・アバルジョン法とは、2-3mmのキズから、特殊な器具を使ってコブや静脈自体を切除する方法です。
キズが小さいため縫合の必要がなく、術後1年以上経過するとキズはほとんど残りません。

ストリッピング手術(静脈抜去術)

ストリッピング手術(静脈抜去術)とは、下肢静脈瘤の原因となっている静脈を引き抜いて逆流を止める手術法です。
高周波治療が保険適応になる前までは、根治治療としては最も一般的な治療でした。
逆流している静脈が非常に大きい方や、静脈が皮膚と接している方、また著しい蛇行がある方などに適応となります。

麻酔について

麻酔について高周波治療の麻酔は、点滴から薬剤を投与し眠って頂く麻酔と、足に直接する麻酔を組み合わせて行います。
歯医者での麻酔から想像できるように、患部へ直接行う麻酔は、麻酔時に針の痛みを伴います。
当院ではそういった痛みを感じないように、点滴からの麻酔で一時的にお眠り頂いてから足への麻酔を行います。
この工夫により、無痛での手術を実現しています。