下肢静脈瘤の初期症状

下肢静脈瘤といえば足のコブが最も有名な症状です。コブになるのはおおよそ10人に1人と言われていますが、実はコブにはならなくても静脈瘤になっている人がいます。

そういった人は、足のいろんな不快感で悩んでいるのですが、コブが無いために自分では静脈瘤だとは気が付いていないことが多いのです。そういったいわゆる「潜在的」に下肢静脈瘤の症状で悩まされている患者さんは、30歳を超えると2人に1人と言われており、実は思った以上に多いのです。

ではなぜコブはないのに静脈瘤になっているのでしょうか?

それは「血管がぼこぼこ浮き出てきた」という症状が、実は静脈瘤がかなり進行してからでてくる末期症状だからです。
末期になる前の段階ではぼこぼこはなく、むくみやだるさといった不快だけを感じています。その状態から何十年もかけてゆっくりと進行してようやく見た目でもわかるコブになるのです。

見た目で血管のふくらみが目立たない

「足のむくみや重さ、だるさなどでマッサージに通っている」そういった方々の中に下肢静脈瘤の方がいるかもしれません。見た目で血管のふくらみが目立たない段階では、血管をエコーで見て調べてみないと判断できません。

できればコブになる前の初期症状で見つけて治療し、いつまでも綺麗な足のままでいたいものですよね!ここでは下肢静脈瘤の初期症状に焦点を当てて解説しますので、当てはまる方がいらっしゃったら、ぜひ一度検査をしてみるのをおすすめします。

※ご来院をご希望の方は、お電話(03-3902-1111)またはメール予約よりご予約下さい。

下肢静脈瘤の初期症状は血管が浮き出るより前に出ている?

下肢静脈瘤というと血管がボコボコ浮き出る美容的な問題を考える方が多いと思いのですが、見た目の問題だけでなく自覚症状としても日常生活に支障をきたしてくることがあります。

血管が浮き出してくる前の初期にもある自覚症状は、「むくみ」や「足の痛み・重だるさ」、「足がつる(こむら返り)」「足のほてり」「足のかゆみ」です。

「足のむくみ」「足の痛み・重だるさ」「足がつる(こむら返り)」といった症状も疲れれば誰でも起こると思いがちなのですが、本当に筋肉の疲労だけが原因でしょうか?

こういった症状に下肢静脈瘤が関連していることは意外と知られておらず、血管がぼこぼこして浮き出ていないと気づきませんし病院に受診しようとも思わないでしょう。
おそらくマッサージや整体などで様子を見ているだけのことが圧倒的に多いはずです。

「かゆみ」もひどくなると湿疹が出たりすることもあり、皮膚科で軟膏やクリームをもらってケアしているだけになっている人もいます。

ところがこれらの症状が下肢静脈瘤の初期症状かもしれないのです。

下肢静脈瘤とは静脈の返りが悪くなる病気

下肢静脈瘤の「瘤」というのは「コブ」という意味ですが、これは下肢(脚)の静脈がコブのようにふくらむことが名前の由来です。

そう聞くと、このコブがいわゆる「がん」のように悪さの根源だと思われるかもしれませんが、実はそうではありません。

下肢静脈瘤の原因は“血液を心臓にもどす”という静脈の働きが悪くなるのが静脈瘤の原因・正体です。
その結果、足の静脈に過剰な血液がたまってコブのように膨らんでしまうのです。

静脈の働き悪くなる原因は体質や遺伝、立ち仕事などの環境の要因など様々ですが、とにかく下肢静脈瘤の初期症状は静脈の働きが悪くなり始めたときに現れるのです。

静脈の働きについて簡単にお話しておきましょう!

血管には大きく「動脈」「静脈」があります。

動脈と静脈

動脈は臓器や手足の先まで酸素や栄養を豊富に含んだ血液を送り出す管のことです。
心臓がポンプの役割をして、1分間に3-5リットルもの血液を動脈を介して送り出します。

一方、静脈は酸素を臓器・筋肉などに提供した後、体中の老廃物を回収して心臓に戻っていく側の血管です。

静脈には、動脈のように血液を積極的に流す心臓のような装置がありません。
頭などの心臓より高い位置に流れていった血液は重力で自然と心臓に帰っていきますが、特に下半身をまわった血液は重力に逆らわないと心臓に返っていけないのです。

そのため静脈には重力に逆らって血液を返すしくみがあります。
静脈の筋肉ポンプ作用

主に筋肉の動きで静脈を押し出し、筋肉がまるでポンプのように作用して血液をゆっくり心臓に向かって返していきます。
このとき下肢の静脈の管腔かんくうの中にある弁によって、重力で血液が逆流してしまわないような働きもしています。

下肢静脈瘤と静脈弁の働き

さきほど静脈瘤の原因は「静脈としての働きが悪くなったから」と説明しました。

「静脈の働きが悪い」とは静脈の中にある逆流防止弁がうまく機能せず血液が逆流してしまい、うまく心臓に向かって返っていかない状態をいうのです。

「静脈の逆流防止弁が壊れる」→「血液が逆流する」→「逆流した血液で静脈が膨らむ」→「下肢静脈瘤になる」というわけです。

静脈血液の返りが悪いとそんなに症状がでるもの?

足がつらい
頭を腰より低く下げると(極端に言うなら逆立ちをすると)、頭の方に血液が溜まってくる感じがおわかりになると思います。
頭を下げることで重力によって頭の方に血液が溜まりやすくなり、逆立ちなら1分もしたら非常につらい状況になりますね。

普通に生活している状態(逆立ちしていない状態)ではもともと重力によって下半身に常に血液が溜まりやすいという環境にあります。
血液が過剰に溜まるだけでもむくみますし、足の痛み・重い感じやパンパンに張ってしまう感覚が出現します。

ましてや静脈の血液は老廃物を回収している血液ですから、その血液が溜まって滞ったら・・・、あまり良さそうではないですよね。

「足がつる(こむら返り)」や「皮膚のかゆみ」や「足の湿疹しっしん」は、静脈の働きが悪くなり疲労物質や炎症に関連する物質が滞ってしまうことで発生している可能性があるのです。

下肢静脈瘤の初期症状かどうかはどう判断する?

血管が浮き出る以外の症状では「むくみ」「痛み」「だるさ」「ほてり」「かゆみ」「しびれ(ピリピリする不快感)」といった足の症状です。

これら様々な症状とともに、血管が浮き出てボコボコしているのが確認できれば下肢静脈瘤は容易に診断できます。

しかし血管が浮き出るより前に症状だけが出ていると、その症状は「むくみ」「痛み」「だるさ」などの不快な症状がメインとなりますので、「日頃の疲れのせいかな?」とマッサージや整体で様子をみていることも多々あるでしょう。

例えば、初期症状として感じるむくみは、「午前と午後でなんとなく足の太さが違う」、「靴下の跡がくっきりとつきやすい」、「靴がなんとなくきつく感じるときがある」といった程度です。

「この程度のむくみなら誰にでもあるのでは?」と思うでしょう。

おっしゃる通りです。

一日中ずっと立っていたり(ずっと重力がかかる)、事務仕事でもずっと座り続けていたら(筋肉を動かしていない)、足のむくみや重だるさは誰にでも出てきます。
これは血液が足の方に溜まりやすくなってしまったことで起こる現象です。
これだけなら生理的な範囲ですので病気ではないのですが、こういった症状の中にも静脈瘤はまぎれています。

下肢静脈瘤とはここまで説明した通り、静脈の弁の働きが悪くなり逆流が起こった状態で症状が進行していくものを言いますから、ある1日だけの症状ではなく慢性的な症状です。

その判断には血管エコーで実際に逆流があるかどうかを判断する以外は難しく見逃しやすいのです(俗に”隠れ静脈瘤”などとも言われています)。

まとめ「下肢静脈瘤の初期症状」

下肢静脈瘤といえば足のコブが最も有名な症状ですが、コブになるのはおおよそ10人に1人と言われていますが、実はコブにはならなくても静脈瘤になっている人がいます。
コブが無いために自分では静脈瘤だとは気が付いていないことが多いのです。

そういったいわゆる「潜在的」に下肢静脈瘤の症状で悩まされている患者さんは、30歳を超えると2人に1人と言われているのです。

「血管がぼこぼこ浮き出てきた」という症状が、実は静脈瘤がかなり進行してからでてくる末期症状なのです。

末期になる前の段階ではぼこぼこはなく、むくみやだるさといった不快だけを感じています。
これが下肢静脈瘤の初期症状なのです。

その状態から何十年もかけてゆっくりと進行してようやく見た目でもわかるコブになるのです。
「足のむくみや重さ、だるさなどでマッサージに通っている」そういった方々の中に下肢静脈瘤の方がいるかもしれません。見た目で血管のふくらみが目立たない段階では、血管をエコーで見て調べてみないと判断できません。

できればコブになる前の初期症状で見つけて治療し、いつまでも綺麗な足のままでいたいものですね。
気になる方はぜひ一度検査をしてみるのをおすすめします。